不妊に悩む人たちが浅田の治療を求めて全国から集まっている。待ってでも受けたい高度な技術は、通常65%とされる体外受精の採卵あたりの受精率が、ここでは85%以上という数字が証明している。妊娠実績は1万5000人を越えた。そして2018年には、東京でも浅田の治療が受けられるようにと品川駅前に新たなクリニックを開院。より多くの人に向けて門戸を広げ、正しい不妊治療を広めている。
浅田理事長(以下浅田) 私はもともと医師になるつもりはなかったのですが、大学の下宿先で医学部をめざす友人たちとの出会いから、自らも工学部から医学部へと転身することになりました。27歳で医師になると、救命救急センター、内科、産婦人科を経て、3年半後には再び大学の医局へ戻りました。大学では不妊症の研究と更年期のホルモン研究を同時に行っていましたが、その時にフランスの生殖医療の第一人者であるジーン・コーエン博士とご縁があり、留学できることになったのです。幸いにも工作少年だった私は細かい作業が得意で、研究に欠かせないピペット作りが留学先のラボでは一番上手でした。一方で、当初はこんなことをやって本当に良いのかなとも思っていました。卵の中に精子を入れる時にはおのずと他のものも細胞内に入ってしまうため、それによって何か異常が生じるのではないかと心配でした。それもあって私のICSI研究には、テクニックを向上する面と、その安全性を検証していく面と、常に2つの柱がありました。ただ顕微授精ができれば良いのではなく、技術と安全性の両輪で最先端を求めて改善していくことが今もベースにあります。
浅田 アメリカから帰国すると「待っている人がいるから」と言われ、すぐに大学でICSIを行うことになりました。ヒトの卵を扱ったICSIは私にとってもこれが初めてのことでした。ところが1998年に、医局の事情から大学内で我々の体外受精ができなくなってしまったんですね。その時すでに私のICSIを待っていた300人の患者さんへの責任を果たさなければという思いが、不妊治療専門施設の開院へとつながっていきました。
浅田 現在までに世界中で600万人以上の方が体外受精で生まれおり、2016年に日本で生まれた子どものうち18人に1人が体外受精でした。このような中でも、いまだに体外受精では障害のある子が産まれると言う人がいます。しかし正しい基礎知識を持っていれば、自然妊娠か体外受精かに関わらず20〜30人に1人が奇形をもって生まれてくること、また食事に気を遣ったり、生活習慣を改善しても、何ら妊娠率とは関係ないことが分かるはずです。そのため、当クリニックで受診される際には必ず勉強会に参加いただくことにしています。卵と精子の役割や、排卵から出生にいたるまでの正しい知識を身に付けた上で、我々との信頼関係のもと治療に取り組んでいくことが大切だと思っています。
クリニックによって考え方や治療法も様々なようですが、ここで不妊治療において最も重要で基礎的な知識を教えていただけますか?
浅田 皆さん最初に驚かれるのは、卵子は生まれた時から増えることがないという事実です。母親のお腹にいる胎児の時に卵子は作られ、女性はおよそ200万個の卵子を持って産まれてきます。そして加齢とともに卵子は老化と減少の一途をたどり、20代で20万個、35歳では2〜3万個にまで減少。さらには老化した卵子では、受精卵になって出生まで育つ割合が少なくなります。これは高齢出産によるリスクを避けるため、女性の身体を守るために必要な仕組みなのですが、加齢によって妊娠しづらくなってしまう理由でもあるのです。その上で不妊症の原因は、受精卵ができにくい(できない)か、できた受精卵が育ちにくい(育たない)か、この2つだけだということを知っておかなければ、不妊治療で遠回りすることになってしまいます。
浅田 もうお分かりのように、不妊治療では受精卵をつくることはできますが、育てることはできません。育つかどうかは受精卵の遺伝子発現で決まるものであり、不妊治療ではどうすることもできないんですね。だからこそ、赤ちゃんまで育つ可能性のある良好な受精卵をたくさん用意することが我々の役目だと思っています。当クリニックには、そのために必要なあらゆる優れた技術と設備が整っています。治療の柱となるのは、独自の浅田式ICSIで注入する授精技術や、最新のラボで行われる高度な胚培養、確かな凍結・融解方法など、私が25年にわたる研究と実績から積み上げて確立してきた独自のもの。新しい治療はすべて自分で検証し、成績の良い治療法、つまり結果が出る治療法を選択してきたという自負があります。
そうした治療の正当性は、通常65%とされる受精率で85%という驚異の数字を打ち出し、毎年2000例を越える妊娠実績からも分かります。
浅田 この受精率85%に裏付けされる当クリニックの質は世界一だと思っています。これをより広く安全に実施できるよう、2006年にはISO9001を獲得し、スタッフの育成にも力を入れています。現在(2018年12月)、3ヵ所のクリニックで合計29人の医師をはじめ、胚培養士やコーディネーター、看護師、薬剤師など合計234名のスタッフがいますが、仕事はすべてISO9001で管理されて動いているため、どのドクターが診療しても同じ治療計画になり、スタッフがそれぞれの役割を果たしながらチーム浅田として動いています。それは、どの患者さんにも画一的な治療を行うという意味ではなく、その患者さんが早く結果を出せる治療戦略を導けるということ。そのために、ドクターは一定のレベルに達するまで不妊治療の研修を受けます。ちゃんとした医療を行うためには、技術だけでなく人を育てること。この質の高い教育システムがあってこそ良い医療が持続するのだと思います。これはクリニックでは珍しい取り組みであり、他にはない当クリニックの強みにもなっています。
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