社長の自叙伝

社長の自叙伝
2017年08月12日

株式会社フィット 代表取締役 中崎昌宏

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「日本一白色が似合う解体業者でありたい」。汚れたら毎日洗えばいい。ユニフォーム、トラックなどをあえて汚れが目立つ白色で統一。当たり前のことを当たり前に行うことで、信頼を積み重ねてきた株式会社フィット。建物の廃材を利用して思い出となるものを作る「思い出プロジェクト」を創設し、思い出づくりプロデューサーとして、解体業界に新たな風を送り込む、中崎昌宏にサムライ日本プロジェクトの安藤竜二が迫った。

異業種からの参入

安藤竜二(以下安藤) 中崎さんがフィットを設立された経緯は。

中崎昌宏(以下中崎) フィットを設立するまでの間、実はいくつかの職を渡り歩いたんです。最初に就いた職業は歯科技工士。学生時代柔道部に所属していて、まわりが、警察官、刑務官と進路を決めていく中、みんなとは違うかっこいい仕事に就きたいなと思い、歯科技工士になったんです。当時は入れ歯ばかりを作っていましたね。ただ、技工士としていくら良いものを作っても、患者さんにはまらなかったら意味がないんです。歯医者に行き、ドクターや患者さんと接しながら、作ったものを直している内に、直接お客様と話ができる営業職に憧れを抱くようになったんです。それで、次は建築資材の販売会社に転職しました。

安藤 歯科技工士から建築の世界へと足を踏み入れたわけですね。

中崎 内装資材、外壁資材など、なんでも扱っている商社だったんですが、やっていく内に、今度は売りっぱなしって面白くないって思うようになったんです。自分の売ったものが、最終的にどういった形になるのか。この部品、材料がどう使われていくのか、最後まで見られないことに物足りなさを感じ、次は販売だけではなく、施工まで行う、販売施工代理店へと転職しました。

安藤 販売施工代理店ではどんなことを学ばれたんですか。

中崎 販売施工代理店では営業を担当していました。そこで、今のフィット・プラスの代表でもある永田と出会うんです。当時は愛知県で売上が5番目の販売施工代理店でしたが、それを二人で「日本一にしよう」って意気投合して。それまで、働いていても目標がなかったんですが、永田と出会ってから変わりました。「まずは、営業は格好から入らないと。格好が1番になればやっていることも1番になるだろう」なんて言いながら、二人でスーツを新調したのを覚えています。とにかく、愛知県で行ったことがない建築屋はないぐらいに営業をし、ついに中部地区で1番の代理店にまでなりました。しかし、徐々に景気も後退し、業界全体が価格競争の波に飲まれていく中で、売上が1番になっても会社の利益が伴ってこない状態に。「日本一」という目標もかすれていきました。その行き詰まったときに、感じたんですね。これからは、建てるのではなく、壊す時代が来るんだって。ちょうど世の中で、リサイクルという言葉が盛んに言われているときでもありました。

安藤 今まで作ってきたからこそ、次の時代がわかった。ここで、ようやく解体業へとたどり着くわけですね。

中崎 解体業を学ぼうと、地元の大手解体業者に転職しました。そこでは驚きの連続でした。今は変わりましたが、自分が入社した当時は、規律がほとんどなかったんです。朝の朝礼もなく、着ている服はバラバラでした。壊すから汚くなる、汚くなるから、汚れの目立たない服を着る。それがここでは当たり前だったのですが、異業種から入ってきた自分には納得が出来ませんでした。そこで、自分が理想とする解体業者を作ってみようと思い、独立することにしました。

白色へのこだわり

安藤 そして、フィットを設立したんですね。立ち上げてどうでしたか。

中崎 最初は苦労の連続でした。資本がなかったので、人を雇うこと、機械を買うことができず、解体作業を専属の下請け業者にお願いしていました。しかし、自分たちの思う解体作業が行われず、結果、クレーム処理の毎日。お客様が何年も住んだ大切な家、工場、その想いを大切にし、丁寧に作業するという自分の考えが、下請け業者まで伝わらず、悔しさと挫折の日々でした。3年間そういう状態が続きましたかね。ついに我慢の限界、これではダメだということで、借金をして重機とトラックを購入。人手を増やし自分たちの手で理想の実現を目指しました。

安藤 持ち前の営業力で仕事はとれたが、理想を実現できず苦悩をしていたところ、一大決心したんですね。

中崎 自分たちで解体作業を行う上で、まずこだわったことは、制服、トラックを白色にしたことです。作業をすると、すぐに汚れる、白色は汚れが目立つから、一般的には黒や紺色の制服が多いんです。でも、汚れたら洗濯すればいい、毎日洗ってきれいにすればいい。そして、ただ壊すのではなく、思いを込めて丁寧に壊す。例えば、現場でほこりが舞うのを防ぐためには、どうしたらいいのかを考えました。そして、当時はメッシュシートが当たり前だったところ、白い養生シートをいち早く取り入れました。現場内では作業が終わったら、廃棄物の整理整頓を必ず行うというルールを作成。また、現場だけでなく、近隣の家の前の掃き掃除も徹底しました。そういう毎日の当たり前を、当たり前に行なう会社にしたいと思ったんです。

安藤 当たり前のことを、当たり前にですか。お客様の反響はどうでしたか。

中崎 「すごいね、そこまでやるの」っていう反響でしたね。一度仕事を頼んでくださったお客様がリピーターになってくれて。中には、「ちゃんとしているから、あんたらが入ってくれるんだったら、工期を待つよ」って言ってもらえることもありました。そして、このこだわりを多くの人に知ってもらうために、「日本一白色が似合う解体業者」というキーワードのもと、ロゴマークをはじめ、名刺、封筒、会社案内、ホームページなどの制作もしました。

安藤 こだわりを発信するためのツール作りをしたんですね。

中崎 当時、会社のロゴを作った解体業者なんていなかったと思うんです。だから、「フィットのトラックを見たよ」ってよく声をかけられるようになりました。そうやって、発信ツールを作成したことにより、お客様からの直接のお問い合わせが徐々に増え、フィットという名前も業界内で浸透していきました。ある大手建設会社のパートナー会の集まりで、自分たちの取り組みが発表されたことがあったんです。200人ぐらいいろんな社長さんがいる前で、おもしろい解体業者がいるって。「当たり前のことを当たり前にやる。その原点に返り、みんなで頑張りましょう」って話の題材にしてくれて。その時は本当に感動しました。

安藤 ある意味、解体業という業種が認められたという瞬間ですね。今は、ようやく中崎さんが描いていた解体が実現できるようになったという感じですか。

中崎 自分がやりたかった、お客様と直接会話をしながら解体作業をしていく、それがやっと実践できるようになりました。直接お客様とお話をすると、建物に対する想い入れを強く感じます。中には解体されていく建物を見て、涙を流すお客様も見えて。そういう姿を見ているうちに、解体される建物に詰まった思い出を、何か形に変えて残してあげたいと思うようになったんです。それで、「思い出プロジェクト」を立ち上げました。

安藤 「思い出プロジェクト」とは何ですか。

中崎 壊す建物の中で使われていた材料、廃材を利用して、例えば、時計だったり、テーブルだったり、新しい生活でも使っていただけるものを作ること。お客様に、ずっと思い出として残り、使っていただけるようなものを提供したいと思ったんです。お客様は、更地にしたら終わりではなく、実はそこから新しい生活が始まるんですね。だから解体業は古い生活と新しい生活の接点になっている仕事。その2つの思い出をつなぐ橋渡しの役割をフィットが担っていきたいなって。

安藤 なんか素敵な話ですね。中崎さんのこれからの夢って何ですか。

中崎 今、解体作業を依頼してくるお客様の年齢層を見ると、20代後半から40代前半の方が多いんです。その年代の方って、ものが溢れている時代に育った方たちだと思うんです。だから、この「思い出プロジェクト」を通じ、ものの大切さを感じてもらえたらうれしいですね。また、元祖・白にこだわる解体業者として、これからもお客様から信頼をしていただける会社であり続けたいです。


中崎昌宏
株式会社フィット 代表取締役


 歯科技工士、建築資材販売会社、販売施工代理店を経て、大手解体業者へ就職。その後、「当たり前のことを当たり前に行う解体業者」という理想を実現するために平成17年、株式会社フィットを設立。「日本一白色が似合う解体業者」というコンセプトのもと、社員のユニフォーム、トラックなどを白色で統一し、業界内で大きな反響を呼ぶ。また、建物の廃材を利用してお客様の思い出となるものを作る「思い出プロジェクト」を創設。古い生活と新しい生活をつなぐ橋渡し役として、日々奔走している。


株式会社フィット 
〒492-8145 愛知県稲沢市正明寺1丁目12番地8号
TEL: 0587-34-5611 FAX: 0587-34-5613
株式会社フィットオフィシャルサイト URL http://www.fit2110.com

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