社長の自叙伝

社長の自叙伝
2017年03月19日

株式会社東海装美 代表取締役 可知久始

「お客様第一主義」を行動指針に掲げ、名古屋市で店舗の企画、デザイン、賃貸マンション管理、リフォーム等、「生活空間」に関わる様々な提案を行う株式会社東海装美。代表の可知久始は23歳で同社を立ち上げ、そのリーダーシップで、多くの協力業者とともに今日までの成長を支えてきた。彼の中に息づく信念とは何か。サムライ日本プロジェクトの安藤竜二が迫った。

父の想いを胸に独立

安藤竜二(以下安藤) 可知社長は子供の頃はどのように育ったのですか?

可知久始(以下可知) 愛知県の蟹江町で育ち、一人っ子だったので兄弟と遊ぶ時間がなかった代わりに、母の真似をして、よく部屋の模様替えをしていました。また仕事一筋だった親父の背中を見て、商売ごっこをして遊ぶことも。これら両親から受け継いだものが、今の仕事に繋がっているのかもしれませんね。
 小学6年生のある日、父がくも膜下出血で倒れてしまいました。社会復帰に時間を要したことがあり、私は中学生の頃には喫茶店でアルバイトを始めました。オーナーが私に何でも任せてくれたので、飲食店の楽しさを感じ、将来はその道に進みたいと思ったのですが、会社勤めを望んだ母の想いもあり、高校卒業の翌日からインテリアを扱う商社に勤めました。

安藤 なぜインテリアを選んだんですか?

可知 実はインテリアという響きがカッコいいなと思ったという単純な理由だったんですよ(苦笑)。最初の1年間は倉庫管理・配達を任され、その後、椅子の張り地の営業に配属。名古屋や三河地方の得意先への提案営業や、新規の飛び込み営業まで。人とのコミュニケーション方法を学びながら、自分の提案を認めていただけることにとてもやりがいを感じましたね。しかし、業績が上がっていく中で、当時の私は「年功序列」の給与に疑問を感じました。独立していく同僚に触発されながら、「いつかは私も」と心に情熱を燃やしていました。別にバイトで1日1万円稼ぐ生活だっていいと腹を括り、「トップになる」という親父の夢を私が叶えるんだ、と23歳で退職しました。

 しかし、すぐに独立はできず、先輩の経営する保険会社で建築の部署を作ってもらい、大手住宅会社の下請け企業さんの下請けとして、リフォーム提案のお手伝いなどをしていました。新しい業界で分からないことばかりでしたが「何でもやります!」と、勉強の毎日を過ごし、社長からは経営の勉強もさせていただきました。

 そして23歳と10ヶ月の時、周りの心配の声を押し切って、実家の6畳の自分の部屋を事務所に独立。最初の仕事は屋号を決めること。若さ故に、誰も相手にしてくれないのではと危惧し、古くからありそうな名前にしよう、と。また「日本」は大きすぎるし、「名古屋」では小さい、そこで「東海」だと。「東海装美」はそうやって名づけられました。

 仕事ではゼネコンの下請けをやったり、大工さんの下に入ったりと色々な人にお世話になりました。「二代目か?」と言われれば「ハイ!」と答えていましたね。不動産の仲介会社の社長に気に入っていただき、アパートの部屋の原状回復の仕事を多く任せていただくようになりました。その社長の勧めもあり、平成6年、名古屋・大須に事務所を移転。その際、「有限会社東海装美」として法人化しました。2年ほどは1人でやり、「今日はいくら稼いだから、いくら呑もう」という生活を送っていましたね。

 27歳くらいで、住宅リフォームの仕事が増え始め、いよいよ1人では首が回らなくなってきて、社員を入れ始めました。それまであまり「経営」というものに興味を持たずにやってきたのですが、この当時、青年会議所(JC)に誘われたことで、理念や行動方針を持つことの大事さなどを学び、経営と向き合うきっかけになりました。表面だけ取り繕うのではなく、中身が伴わないとダメだと。人との出会いも含め、非常に多くのものを青年会議所から得ることができました。

安藤 店装を始めたきっかけは?

可知 名古屋のライフスタイルショップ「リアルスタイル」の鶴田さんから声をお掛けいただき、リアルスタイル名古屋店のオープンに伴い、初の店舗内装を任せていただきました。ある日お店に行くと、人だかりができており、なんと名古屋市の「都市景観賞」を受賞されたとのこと。それまで店装には全く興味がなかったのですが、「お店に人が入ってくる」という情景を目の当たりにし、住宅にはない感動を覚えました。そこにはクライアントとエンドユーザーという2種類のお客様がいる、これは面白いと思いましたね。もちろん、店装においては素人でしたが、そこで働く人やお客様の気持ちを想像し、おせっかいなまでの提案をすること、施工だけでなく管理にまで徹底していくこと、これが大事なのではないかと思いました。

チャレンジする人を応援したい

安藤 東海装美さんと言えば、東海会という活動も見逃せません。

可知 東海会は、弊社に関係する全ての業者様が、弊社にぶらさがる組織ではなく、自主的に底上げできる組織を目指すための「会社の垣根を超えた会」なんですよ。弊社の「真心をもって」という理念に共感してくださり、それを守っていこうとしてくれる協力業者様によって立ち上げてくれた組織で、仕事を取ってくるのが私の仕事、それを現場で守っていくのが彼らの仕事、と皆で一つの思いを共有しています。技術はもちろん必要ですが、技術を補うのはやはり「人」。素晴らしい人達に恵まれているおかげで、今の東海装美があると言えます。

安藤 TSBワークス、TSBシーズンという取り組みも、珍しいものですよね。

可知 キャリアを重ねていくに従い、お客様の数も増えていきましたが、その分忙しくなり、お客様と実際にお会いするのが難しくなっていったというのが悩みの種でした。そこで、手紙や機関紙をお送りして情報発信をしようと思ったのです。

 今まで弊社とご縁のあった皆さんに、弊社で施工させていただいたお店の紹介をDMにして「TSBワークス」というカタチでお送りさせていただいています。弊社の近況報告と同時に、携わったお店が繁盛して欲しいという想いから、お店にはクーポンを付けていただくことで集客にも繋がる。皆さんに「いいことやってるね」と言っていただける仕組みとして定着しています。

 「TSBシーズン」は、我々が自社で編集・発行する機関紙で、その中では弊社に関わる業者様、お客様の紹介、弊社の考え方をお伝えする記事を掲載させていただいています。お客様に発信するための自社メディアとして機能し、年2回の発行ながら、回を追うごとに内容を充実させています。TSBシーズンを発行しはじめたことで、それを見た仲間がさらに他の業者様、お客様に広めてくれたりと、異業種の人たちとの出会いも増えました。まずは人に知ってもらうこと、そしてそこから生まれる出会いを大切にしたいですね。「ヒト」があってはじめて「コト」が起きますから。

安藤 今後、どんな新しい挑戦をされていきますか?

可知 これは弊社が直接関わった話ではありませんが、ある青年が店のオーナーとして、開店に向けて頑張っていたのですが、結果的にうまくいかなかったことがありました。これは周りの関係会社がうまくサポートしてあげられてなかったためではないか、と思いました。自らに置き換えた場合、弊社は協力業者様を苦しめていないかと反省し、ではどうしたらうまくいったのだろうと考えました。

 例えば、私が独立を決めた時には、周りの人が私のことを親身に思って、愛情を持って、反対してくれました。しかし、今の時代はお金になるなら、当人のことなど考えず、融資することも多い。TSBワークスやシーズンをきっかけに出会った人たちの中には開業を目指す人も多く、本当に彼らのことを考えた開業支援のシステムができないかと考えました。

 そこで不動産ビジネスの仕組みを勉強すると、特に新規開業者に顕著なのですが、物件を探す人は来るのに契約まで結びつくケースは非常に少ない。設備への投資、高い手数料、相談できる仲間がいないなどの多くの障害があり、理想と現実のギャップを前に、夢を諦めてしまっているようなのです。

 開業の夢を持つ若いオーナーを応援する仕組みを作れないか。ネットだけではできないものを。開業のノウハウを学べる、生の情報交換ができる、店舗探し、ファイナンス支援、デザイナー等の紹介…。多くの店舗の開業をお手伝いさせていただいた実績と、業者ネットワークを生かし、そんなサポートができるのではないかと思いました。自分自身も過去に起業したことで今がありますから、同様にチャレンジする人を応援したい。これは自分が今まで受けてきた恩を返すことのような気がして、こうした取り組みが将来の東海装美にも繋がってくるのではないかと思うのです。

安藤 確かな技術と周りから慕われる可知社長の人柄・情熱、皆様を繋ぐネットワークこそ東海装美さんの強みですね!

可知 「お客様に純粋に喜んでもらえること」を一つ一つやっていくことが大事なのではと思います。売上主義ではなくお客様第一主義。これは、儲けなど考えず楽しいから頑張っていた創業当時の気持ちと同じで、今、原点に立ち返っているのかもしれませんね。そういう気持ちで仕事していると、不思議なくらい元気のある人が集まってくるのを感じます。自分のやっていることが特別なこととは思いませんが、地味でありながらも「当たり前のことを当たり前に続けていくこと」これが大切ですね。



可知久始 
株式会社東海装美 代表取締役


 平成6年に東海装美を創立、平成7年に有限会社、平成11年に株式会社となる。一級建築士事務所の有限会社ティーズプランニングとともにTSBグループとして、生活空間に携わる様々な提案を行う。行動指針は「お客様第一主義」。協力業者からなる「東海会」の活動にも尽力し、会のメンバーとともに、安全な現場管理を重点に置き「お客様満足日本一企業」を目指す。


株式会社東海装美 
〒454-0037 名古屋市中川区富川町5-1-6 
TEL : 052-365-5271  FAX : 052-365-5275 
URL : http://www.toukaisoubi.co.jp

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