社長の自叙伝

社長の自叙伝
2017年07月28日

アピュアン株式会社 代表取締役社長 渡部幸雄 

日本には世界に誇るべき、高い技術力を持った中小企業がたくさんあるが、愛知県豊田市にある「アピュアン株式会社」もそんな会社の一つだ。平成9年設立以来、大手自動車会社の下請けとして、常に高いレベルの要求に応えてきた。そんなアピュアン株式会社がこの度、初の自社製品となる精密微反動工具「アピュアン・ブルー」を開発。そこにはどんな想いが込められているのか、全国展開する地域ブランド「サムライ日本プロジェクト」主宰の安藤竜二が、渡部幸雄社長に話を聞いた。

ものづくりのDNA

安藤竜二(以下安藤) まず渡部社長について教えていただけますか?

渡部幸雄(以下渡部) 愛媛の山の中で生まれ育ちましたから、いつでも山の大自然が遊びの舞台。しかし、何もしないでいて楽しいわけではありませんから、自分で楽しもうとしなければいけません。自分で遊び道具を作ったりと、色々創意工夫をするわけですね。それが私のものづくりの原体験になっていると思います。

 愛知県にやってきたのは中学を卒業した15歳の時でした。当時はボウリングとクルマの時代。カローラやパブリカ、ブラボーコロナという人気車種を造っていたトヨタ自動車の養成所「トヨタ学園」に入学し、働きながら勉強をしました。卒業後は、トヨタ自動車で機械検査作業士として腕を磨きました。当時は「分かっていて不良品を出したなら辞めちまえ!」という厳しい言葉も飛び交っていましたが、実はその人のことを想って叱ってくれている、という人情の時代でもありました。そんな時代、環境の中でトヨタの「ものづくりのDNA」を叩き込まれました。

安藤 世界トップレベルの技術を要する現場で修行されていたんですね! 起業しようと思ったきっかけは何だったのですか?

渡部 新しいことにチャレンジしたいという気持ちが捨てきれなかったんです。平成9年に豊田市内に「アステック株式会社」を設立しました。前職で培った技術を生かした、自動車部品製造を生業とする小さな町工場ですが、中国の大連にも提携工場があるんですよ。

 トヨタ自動車時代のお客さんの会社に、出向社員として働いていた大連出身の中国人の方との出会いがきっかけでした。彼は工学の勉強が目的で来日していた工学博士。人のことを考えることができる、中国人らしくない中国人で(笑)。彼の工学に対する想いや人柄が気に入って、意気投合したんです。彼が大連で工場をやるというので、現在、お互いに協力しあう、業務提携工場という関係でやらさせていただいています。

 その工場は今では社員30名を抱え、トヨタ自動車を始めとした日系企業の部品加工などを請け負っているんですよ。

アピュアンブルー

安藤 アピュアン株式会社はどんな会社なんですか?

渡部 今までは「アステック株式会社」の社名で、ほぼOEM100%の町工場でした。しかし、何が起こるか分からない時代ですから、今のままではいられない、変わらなきゃいけないと常々思っていたんですね。そこで、夢だった自社製品を作ろうと一念発起。2010年6月に社名を「アピュアン株式会社」に変更し、ようやく自社製品の第一号、精密微反動工具「アピュアン・ブルー」が完成したんです。「ブルー」としたのは、晴れ晴れとした青い空、澄み渡る青い海をイメージした弊社のテーマカラーから、名づけたんですよ。

安藤 その「アピュアン・ブルー」は、一体どんな製品なんでしょうか?

渡部 通称「エアーハンマー」と呼ばれていて、圧縮空気の力で内臓ハンマーを上下させる器械です。コンクリート、石の破砕の道具として、また、ノックピンの圧入、ハツリ作業、粉や砂の圧縮等、手作業のハンマー仕事の道具として、作業する先端工具に工夫を加えれば何にでも対応できます。

安藤 あれってかなりの振動があるイメージなんですが、「アピュアン・ブルー」は振動のなさがウリなんですよね?

渡部 従来のものは長時間使用すると、振動障害・腱鞘炎など身体に悪影響を及ぼすという問題を抱えています。通常、連続使用は2時間までと言われており、現場の皆さんは「エアハンマーは重くて、振動があって当然」と諦めてしまっている現状があります。平成14年度のデータでは全国の労災病院で3万人以上の振動障害の患者さんが受診しているそうです。この状況を何とかしたい、困っている人を救えないか、と思ったんです。

 「アピュアン・ブルー」は、今まで自動車産業に携わる中で、培ってきた技術の応用から、振動を10分の1程度にし、騒音まで抑える仕組みを開発、さらに従来の製品の20%程度の軽量化に成功しました。これにより身体にかかる負担を軽減し、長時間の使用ができる可能性があります。実際に石材店の大将をはじめ、色んな方に試してもらってるんですが、皆「本当だ、振動がない!なんで?」と驚いてくれるんですよ。

安藤 世界中の工場や工事現場に革命をもたらす商品になるかもしれませんね!

渡部 エアハンマーにも色々なタイプがあって、片手で持てる小型のものもあれば、マシンガンのように抱えるタイプもあります。我々の場合、一つ一つ手作りでやっていますので、お客様のご要望に応じてオーダーメイドで作ることができるのも強みなんです。

 世の中にはこの類の道具は多種多様に溢れていますが、「やっぱりあそこのオヤジたちが作ったやつが一番!」と言われるような仕事をしていきたいですね。やはり、手を汚さないといい仕事はできません。自分の手のひらを大事にした仕事をしていきたいです。目指すは、一人のオートバイチューニング技術者ながら、レースでホンダなど大手企業と対等に渡り合ったポップ吉村さん。そして吉村さんの会社「ヨシムラジャパン」のようなこだわりのある企業ですね!

安藤 かっこいいですね! それでは今後のアピュアン株式会社の展望をお聞かせ下さい。

渡部 今、「アピュアン・ブルー」のデビューを機に、会社自体大きく生まれ変わる時にきていると思います。社名変更したのも、その意気込みの表れです。
 今までは、いつものお得意先と仕事をしてきたのに対し、今後はまだ見ぬ人たちに対して働きかけていかないといけません。そのためには、自分たちの努力ももちろんですが、製品を発信してくれる人や販売してくれる人の力が不可欠です。人と人との繋がりをより一層大切にし、関わってくれる業者さんから製品を使うお客さんまで、みんなが幸せになれるようなネットワークを築いていきたいですね。

「アピュアン・ブルー」だけにとどまらず、積極的に新しいことにチャレンジし、誰も作っていないもの、世の中に誇れるものを作っていきたいです。そして、「メイド・イン・ジャパン」製品への誇りと独自のこだわりを持った企業様とお付き合いすることができたらと思います。会社のイメージも一新し、心機一転頑張って行きます! 町工場のオヤジの活躍にご注目ください!


渡部幸雄 
アピュアン株式会社 代表取締役


 アピュアン株式会社は平成9年の設立以来、大手自動車メーカーの下請けとして操業してきた小さな町工場。世界レベルの要望に応えていく中で培われた高い技術力を武器に、昨今の経済状況の中で成長を続けてきた。2010年、「我々の技術で世界を変えたい!」との想いで「脱・一業種」をテーマに、社名を変更。初の自社製品となる「アピュアン・ブルー」を引っさげ、新しい事業展開を狙う。


アピュアン株式会社 
〒471-0005 愛知県豊田市京ヶ峰1丁目12番地11 
TEL 0565-80-7388  FAX 0565-80-7399  
URL http://t03.cms-lite.net/  
blog http://ameblo.jp/apuren

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